無地の帽子やポロシャツ、Tシャツに刺繍加工をしてオリジナルグッズが作成できる大阪府堺市の藤原刺繍

著作権・刺繍加工業のルール

プロが断る理由
〜あなたのロゴを守るための著作権の話〜

バンドのロゴやデザインを刺繍にしてほしい、というご依頼をいただくことがあります。
しかしそのデザインに著作権があり、権利者の許可がない場合、当店では刺繍データの作成をお断りしています。
これは「できない」のではなく、「あなたと私たち、双方を守るために断っている」のです。
この記事では、著作権の基本から、なぜプロが断るのかまでを丁寧にお伝えします。

「ロゴを刺繍にしたいだけなのに、なぜ著作権が関係するの?」

著作権とは、文章・絵・音楽・デザインなど、人が創造した表現物を保護する法律上の権利です。
作品を作った瞬間に、特別な手続きなしで自動的に発生します。
バンドのロゴマークも、アーティストやデザイナーが創り出した「作品」です。

その権利は、作った人(著作者)だけが持っています。
使用・複製・改変・配布できるのも、原則として著作者か、著作者が許可した人だけです。
「お金を払って依頼した」という場合でも、著作権は依頼者に自動で移転しません。
この点は、多くの方が誤解されているポイントです。

著作権法は、日本国内はもちろん、多くの国で守られている国際的なルールです。
「有名なロゴだから誰でも使っていい」というわけではありません。
むしろ有名なロゴほど、厳格に管理されているケースがほとんどです。

承諾なしに使えない理由

「インターネットで画像を見つけたから、使っていいんじゃないの?」

ネット上に公開されている画像は、「誰でも自由に使える」という意味ではありません。
著作者が公開しているだけで、権利そのものは著作者が持ち続けています。
見つけることができるのと、使ってよいのは、まったく別のことです。

著作権のある作品を無断で刺繍データに変換することは、著作物の「複製」にあたります。
さらにそのデータを使って刺繍を施せば、「利用・頒布」にもなりえます。
たとえ個人的なグッズであっても、法律上は許可なく行ってはならない行為です。

著作権侵害が認められた場合、著作権法第119条により、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(あるいはその両方)が科せられることがあります。
個人が趣味で制作した場合でも、適用対象から外れるわけではありません。

「好きなバンドだから」という気持ちは、十分に理解できます。
しかし、その気持ちが法律の壁を越えることはできません。
著作権者の許可を得ること、それが唯一の正しい道です。

当店が作成すると罰せられる

「お店に頼むんだから、責任はお店が取ってくれるんでしょ?」

残念ながら、そうはなりません。
著作権侵害の刺繍データを作成した場合、作成者である当店が直接、法的責任を負います。
依頼者がいたとしても、「言われたから作った」は免罪符になりません。
知的財産の世界では、実行した者が責任を問われます。

当店が受ける可能性のあるリスクは、刑事罰だけではありません。
著作権者から民事上の損害賠償請求を受けることも考えられます。
業務停止や社会的信用の失墜といった、事業そのものへのダメージも生じます。
一つの依頼が、長年積み上げてきた仕事を壊してしまうことにもなりかねません。

当店がお断りするのは、「難しいから」ではありません。
「あなたの信頼を守りたいから」でもあります。
もし当店が違法な作業を引き受けた業者だとわかれば、そこに依頼したお客様にも不利益が及びます。
プロとして誠実に仕事をするために、断るという選択をしています。

〜安心して依頼するために〜

著作権は、創造した人の権利を守るための大切なルールです。
バンドのロゴ・アーティストのデザイン・企業のマークなど、他者が創ったものには必ず権利が存在します。
無断での複製・利用は、依頼者・制作者の双方にリスクをもたらします。

では、どうすればよいのでしょうか。
最も確実な方法は、著作権者に連絡し、書面で許可を得ることです。
公式サイトや所属事務所を通じて確認する方法が一般的です。
許可書(ライセンス証明)があれば、当店で喜んで対応いたします。

また、オリジナルデザインの作成であれば著作権の問題は生じません。
バンド名のフォントデザインや、オリジナルのキャラクターロゴなど、一から作り上げる場合は安心してご依頼ください。
当店はお客様の想いを形にするために、できる限りのサポートをいたします。

「断ること」は、お客様を拒絶することではありません。
あなたとの、長く誠実な関係を続けるための、職人としての判断です。
職人

ミシン刺繍加工業 店主

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